高速道路を走っていると、この時期、熊本県山鹿市付近の山あいの田んぼに彼岸花が咲いているのが目につきます。
「熊本県 彼岸花」で検索すると山鹿市の「番所の棚田」が彼岸花の名所として出てきます。初めて聞くのでピンときませんでしたが、「番所(ばんしょ)」とは地名のようです。
この地の棚田は日本棚田百選にも選ばれているそうで、そういうことを聞けば、出かけてみたくなります。
熊本市を飛び出し、車で約1時間。やってきました。番所地域。
地域の狭い道路に入り棚田を探しますが、どうもよくわからない。どんどん道が狭くなっていくので、心細くなり民家の庭でくつろいでおられたご年配の方に「すいません」と尋ねてみました。車中の家内曰く「マイクとカメラを持っていたら、例のテレビ番組のディレクターのようだった」とのこと。年配の方が完璧な方言だったら理解できるか不安でしたが(昔、尋ねたはいいが何も理解できなかった経験があるため)、そんな不安は必要ありませんでした。丁寧に教えてもらい目的の棚田へ。
稲刈りはまだではないかと淡い期待を持ちながら出かけたのですが、ほぼ終わっていました。
棚田では刈り取られた稲が掛け干しされていました。面倒な作業ですが、こうした天日干しには様々な利点があるようです。
棚田はすべてが田んぼでなく、蕎麦が植えてあったり、栗畑になったりしていました。
山鹿市は栗の産地で有名なわけですが、こうした転作は棚田での稲作づくりの苦労があるのだろうなと思いました。
番所地区の前を走る県道9号は日田鹿本線と言いますが、この道を通り日田にいけば、そこは「桃栗植えてハワイに行こう」のキャッチフレーズで有名な大山町があります。これは、大山町での山間部の米作りの大変さから脱却するための著名な活動でした。番所地区の栗や蕎麦と掛け干しは、棚田の美しさと苦労というコインの裏と表とをみているかのようでした。
あぜ道に咲く手入れされた彼岸花はたいへんきれいでした。
彼岸花の傍に大きなバッタ。カメラを近づけても逃げることなく記念撮影に応じてくれました。
立ち位置から見える周囲を動画に記録しておきました。
番所地区から県道9号を下っていくと、上内田川沿いに彼岸花が群生しているところがありました(地域の方々によって手入れされているのでしょう)。
撮影位置(菊鹿町長川辺の駐車場):https://maps.app.goo.gl/muKZRM1QtT8ZTdkN6
川沿いで見る彼岸花もきれいなものです。